アレクサンダーテクニーク

演奏に脱力は不要


こんにちは、川浪です。

レッスンをしていると「どうすれば脱力できますか?」と聞かれることが、よくあります。

演奏をしていると、余計な力が入ってしまい、どうしてもそれを手放したい、というのは、音楽家に共通の悩みです。

実際、演奏の指導でも、「脱力しましょう」といわれる場面は、多いようです。

しかし、僕のレッスンでは、基本的に「脱力」という言葉は使いません。

僕のレッスンは、二つの方向性で進んでいきます。

それは

1,不必要なことをやめる

2,必要なことをする

です。

例えば、ヴァイオリンであれば、演奏に必要なことをシンプルに考えると、弦を押さえることと、弓を動かすことだけです。

この動きは、どちらも、腕や手、指の動きによって行われます。

しかし、首に力を入れたり、肩を持ち上げたり、と演奏に必要のないこともやっています。

では、なぜ必要のないことをしてしまうのでしょうか。

それは、必要なことが足りていないからです。

こうやって動かしたい、もっと大きな音を出したい、もっと安定させたい、などなど、やりたいことが実現していない時に、それを何とか補おうとして、必要のないことをやっているのです。

仮に不必要な力を上手く脱力できたとしたら、どうなるでしょうか。

おそらく、それを補うために、別の不必要なことをやり始める可能性が高いです。

レッスンではまず、自分がやっている不必要なことに気づいてください、とお伝えしています。

自分が、どこで不必要なことをしているか、正確に把握できている人はとても少ないです。

まずはそれに気づくことが重要です。

それだけで、ずいぶんと演奏が変わるはずです。

気づいたら、あとは特にどうこうしなくても大丈夫です。

あとは必要なことが明確になれば、自然と不必要なことを手放すことができます。

(これについては、次回以降書きます)

まとめると、

脱力しようとすると、別の不必要な力を入れる可能性が高い。

まず、自分がやっている、不必要なことに気づくこと。

あとは、必要なことを明確になると、不必要なことは手放せる。

です。

自分の演奏にとって、必要な動きと、そうでない動きを観察してみてください。