アレクサンダーテクニーク

演奏の上達を妨げる思考パターン


こんにちは、川浪です。

レッスンをしていて思うことですが、上達を妨げる思考パターンというものが存在します。

それは「上手くいった時に、その体験をその場で理解しよう」というものです。

これだけ聞くと、むしろいい事じゃないか、と思う方もいるでしょう。

しかし、この裏を返せば「理解してないと、実践できない」という思い込みがあります。

僕の個人的な体験を紹介します。

今から一年ほど前のことです。

ドラムの練習をしている時に、なんだか分からないけど、ふと今までよりも、演奏がスムーズになる瞬間がありました。

なぜかこの時、内心「ヤバい!」と感じました。

なぜかなぁ、と考えていると、あることに思い当たりました。

僕は教えることを職業にしていますが、それは自分が教えるのは上手いという自負があったからです。

その自負は、

「自分は才能がない人間だ。だから努力で色んなことを身に着けてきた。だから才能で出来てしまう人と違って、上達のプロセスを理解しているはずだ」

という思いにもとづいていました。

もし僕が、わけもわからず上手くなってしまうと、その自負が崩れてしまう、という恐怖を感じたのです。

しかし、冷静になって考えてみると、当時、すでにレッスンを行っていて、十分に教えられる知識を持っていました。

今さら、少々、理解できていない事柄が増えても、レッスンには支障ありません。

出来ることが増えても、少なくともマイナスにはならないだろうと、理解できなくても出来るようになっていいんだな、と思い直しました。

それから、この一年を振り返ってみると、明らかに僕のレッスンスキルは向上しました。

身体のこと、演奏のこと、音楽のこと、どれをとっても、一年前より理解が深くなっています。

理解できないまま、出来るようになったら実践できない、というのは、まったくの杞憂でした。

理解しなくちゃいけない、というブレーキを手放すことで、新しいことを身につけるスピードは増しました。

そして、理解は、心配しなくても、あとからついてきます。

というわけで、上手くいった時に、どうしても理解しないと納得できない、という方は、「上手くいったからラッキー」くらいに思っておけば大丈夫です。

そうすることで上達のスピードを加速することができます。

音楽家のためのアレクサンダーテクニークレッスン東京