アレクサンダーテクニーク

おすすめ本を紹介「響きの科学」


こんにちは、川浪です。

最近、読んでいる「響きの科学」という本に、とても興味深い一節がありましたので、紹介します。

「バンドでは、ほとんど途切れることなくドラムやシンバルをたたき続け、音楽のリズムを刻んでいる。だからこそ打楽器は、音ではなく雑音を出す必要があるのだ。もしもドラマーが、ひとつか二つの音を叩き続けるなら、曲全体をその音が支配することになり、曲のハーモニーとときおり、衝突したりするだろう」

これだけ読むと「打楽器は雑音かい!」とツッコミがありそうなので。笑

補足をしておきます。

この文章は、音程はどのようにして作られるか、というくだりでした。

楽器の音と、そうじゃない音との大きな違いは、音程感がはっきりしているかどうか、ということです。

じゃあ、音程はどうやって作られるのか、という解説をしている流れでした。

つまり、ここでいう雑音とは、本当の意味での雑音ではなく、音程感がハッキリしていないという意味です。

だから、打楽器の方は、怒らないでくださいね。笑

話を戻すと、僕は、これを読んで、長年のモヤモヤがスッキリしました。

というのも、ドラムセットのチューニングで、各太鼓を三度の音程に揃えたりすることがあるのですが、、、

どうも僕は、それが好みじゃなかったんですね。

その理由が、これだったというわけです。

ティンパニのように、音程が重要な要素となっている打楽器もありますが、リズムを刻むという意味では、音程感がハッキリしていない方がよい、ということもあるんですね。

(もちろん、好みは人ぞれぞれなので、ドラムセットの音程を揃えるというのを否定するわけではありませんが^^;)

この本は、他にも、

なぜ弦楽器は、弦を鳴らす位置で、音色が変わるのか?

なぜ短調は悲しげに聞こえるのか?

など、当たり前なんだけど、理由を説明できない、という事柄を、科学的に、しかも、わかりやすく解説してくれます。

さて、身体の使い方のレッスンと、話をつなげてみようと思います。

いつもお伝えしている通り、身体の使い方に「正しい姿勢」とか「正しいフォーム」なんてものは、ありません。

どうすればよいのかは、目的や状況によって変わります。

ということは、音楽を演奏する、楽器を鳴らすのが、一体どういうことなのか理解しておくことは、身体の使い方を考える上でも、とても重要です。

意外に思われるかもしれませんが、そもそも楽器がどういう原理で鳴っているのか、あるいは、声はどうやって出すのか、その仕組をきちんと理解できている人は、少ないです。

良い音を鳴らすということは、物理的にどういう現象か分からなければ、そのために身体をどうやって使えばいいか、ということも分かるはずありませんよね。

というわけで、今回紹介した「響きの科学」を読めば、身体の使い方を考える上での、助けになることは間違いありません。

ご興味のある方は、ぜひ手にとって見てください。