アレクサンダーテクニーク

その身体の癖の原因は?


こんにちは、川浪です。

先日、クラリネットの方にレッスンをしていた時のこと。

その方は、楽器をくわえる時に、楽器を口に近づけると同時に、口も楽器に近づける、という傾向がありました。

そして、口を楽器に近づける際に、首にもかなり力が入っている様子がみられました。

単純に言えば、楽器を吹く前から、余計な力を使っているということです。

レッスンでは、それを手放すための指導を行うのですが、その生徒さんは、その傾向を指摘されて、そうしている理由を思い出したそうです。

その理由は、以前、オーケストラの本番の最中に、マウスピースが歯に当たってリードが欠けてしまい、音が出せなくなり困った経験があった、とのことでした。

それ以来、楽器をくわえる際には慎重に、と思って、口を楽器に近づけるようにし始め、年月が過ぎ、その出来事自体はすっかり忘れていて、その癖だけが残っていたようです。

このように、ほとんどの場合、身体の癖には何かしらの理由や原因があります。

最近レッスンであった例だと、パーカッションの方で、いつも狭いスペースで演奏するので、必要以上に身体を縮めていた、とか、自分より上手い人と演奏する時になると、恐縮するのか、身体を屈めてしまう、とか。

他にも、昔、楽器の先生にこういう指導をされた、というのが、刷り込みのように残っていることも多々あります。

(いつもお伝えしているとおりですが、楽器の先生が、身体の指導について、あまり根拠のないことを言っている場合も多いです)

ところで、今回のように、癖の原因を気づけるとよいのですが、僕のレッスンでは、手放したい身体の癖に気がついても、必ずしも、その原因まで特定する必要はない、とお伝えしています。

レッスンを受ける方も、自分の癖に気づいたとしても、なぜそんな癖を身に付けたのか、さっぱり覚えていないことの方が多いです。

実際のところ、原因は分からなくても、その癖に気づいたら、手放すことは可能ですからね。

しかし、今回の例のように、原因を思い出せた場合は、さらにその癖を手放しやすくなることは間違いありません。

一体どんな状況で、その癖が起こるのか、自分で気づきやすくなりますからね。

というわけで、身体の使い方を学んでいく中で、手放したい自分の癖に気がつくことができたら、なぜそれをやっているのか、ということも、考えてみてください。

もしそれに気づくことができたら、より簡単に、その癖を手放すことができるようになります。