アレクサンダーテクニーク

アレクサンダーテクニークは詐欺か?


こんにちは、川浪です。

僕のレッスンを受講中の生徒さんから、こんな話を伺いました。

知り合いにアレクサンダー・テクニークを紹介したところ「あんなものは詐欺だからやめとけ」と言われたそうです。

その知り合いというのは医師で、あるアレクサンダーテクニーク教師のブログを名指しの上「この内容は解剖学的に間違っている」と批判されたそうです。

それを聞いて、色々と考えました。

まず、僕が同業者の書籍やブログ等を見ていても、明らかに誤りだ、という内容は、本当にたくさんあります。

それと同時に、僕自身がかつてお伝えしていた内容で、間違っていたこともありますし、現時点でもそうとは気づかずに、間違った内容をお伝えしている可能性も十分にあります。

しかし、これは何も、アレクサンダーテクニークのレッスンに限った話ではありません。

巷の音楽レッスンも、よっぽど解剖学的に根拠のない内容があふれています。

もっと言えば、音楽に限った話ではありません。

巷のトレーニングやエクササイズもそうですね。

さらにさらに!

ある時期は正しいとされていたことが、後になってくつがえされることは、多々あります。

有名なのは「ロボトミー手術」ですね。

かつて、精神疾患の患者に対して、脳の前頭葉を切除するという手術がありました。

これを考案した医師は、ノーベル賞まで受賞したのですが、現在はこの手術は重大な問題があるとして、禁止されています。

より身近な例としては、ある年齢以上の方は、「舌の位置によって、感じる味覚が違う」という話を聞いたことがあると思います。

舌先は甘みで、喉元で苦味を感じる、とか。

これも最近の研究では、間違いとされているようで、舌のどの部分でも、味を感じることができるそうです。

このように、何が正しい、間違っているというのは、なかなか断言できるものではありません。

そのような状況で、我々はどのように振る舞えば良いのでしょうか。

まずは、教える側の立場として。

僕が心がけていることは、確信度合いを明確にする、ということです。

レッスンで伝える内容には、自分自身の経験や、これまでレッスンをしてきた経験から、かなり確信度の高い内容もあれば、ただどこかで聞きかじっただけの話もあります。

僕が何かを伝えるときには、それがどの程度、確信のある内容なのかを明確にするようにしています。

それから、先ほども書いたように、正しいと思っていても、間違えていた、なんてことは多々あります。

教える立場としては、常に自分が間違っている可能性を疑いつつ、知識をアップデートさせていくことが重要です。

さて、レッスンの受け手としての心構えも述べたいと思います。

レッスンの受け手は、情報が正しいかどうかを、事前に判断することができません。

分からないからレッスンを受けるんですよね。

では、どうすればいいかというと、とりあえず言われた通りに試してみる、ということが重要です。

試して、効果があればいいし、効果がなければやめればいいだけです。

もちろん、手術のように、一度やってしまうと取り返しのつかないようなことは、慎重になる必要があります。

しかし、僕がレッスンでお伝えしているような、身体の使い方や意識の向け方であれば、やってみて取り返しのつかなくなるようなことは、ほとんどないでしょう。

ですから、とりあえずやってみる、というのが重要ですね。

その上で、疑問があれば、講師の方に納得いくまで説明を求めてください。

さて、最初の話に戻ると、アレクサンダーテクニークは詐欺か?

はっきり言ってしまうと、教える人によりますね。

教える側は、そうならないように誠実に努めること。

受け手は、実際にやってみて見極めること。

それが重要かと思います。