アレクサンダーテクニーク

本当にアレクサンダーテクニークは演奏の役に立つ?


こんにちは、川浪です。

先日、体験レッスンに来られたチェロの方から、このような話をうかがいました。

「別の方のアレクサンダーテクニークのレッスンを受けていて、効果を感じている。

演奏しにくいところがあれば、まず立ち座りの練習をして、それから弾くと、確かに弾きやすくなる。

しかし、本番では、立ち座りするわけにはいかないので、どうしたらよいか考えている」

とのことでした。

この話の前提として、アレクサンダーテクニークのレッスンでは、伝統的に立ち座りの練習をよくします。

(これをチェアワークと呼びます)

詳しい経緯はわかりませんが、おそらくアレクサンダー氏がこういうレッスンをしていたのでしょう。

推測するに、一つの動作の繰り返すことによって、よりよい身体の使い方を学ぼう、ということだと思います。

もちろん、これはこれで、役に立ちます。

誤解のないように言っておくと、僕もこういうレッスンを山ほど受けました。

しかし、大きな問題もあります。

一つ目の理由。。。

立ち座りに、そんなに興味ないですよね?

(こんなことを言うと身もふたもありませんが。笑)

身体の使い方を改善する、というのは、一度のレッスンでなんとかなるものではなく、繰り返し継続的に学ぶ必要があります。

いくら演奏改善の役に立つといっても、興味のないことを繰り返すモチベーションを維持するのは、ふつうの人にとっては難しいはずです。

もう一つの理由は、立ち座りと、演奏には大きな隔たりがある、ということです。

この記事を読んでいるあなたは、おそらくアレクサンダーテクニークを学ぶことで、演奏上の課題を解決したいと思っているはずです。

ということは、仮に立ち座りで、身体の使い方を学んだとしても、本当の目的である、演奏改善には、自分自身で応用しなければいけない、ということです。

さらに言うと、演奏は、立ち座りといった日常動作に比べると、ずいぶん複雑です。

アレクサンダーテクニークを教えている方の中には「立ち座りも演奏も同じですよ」みたいことを言う方もいますが、そんなわけありません。

演奏は、日常動作とはまったく違い、それ自体が複雑な動作です。

複雑なことをしながら、身体のことも考えるって、やっぱり難しいです。

というわけで、僕のレッスンでは、立ち座りの練習をすることは、ほとんどありません。

あなたの演奏上の課題をテーマに、実際に演奏してもらいながら、アドバイスしていきます。

これの何がよいかというと、第一に、あなた自身でテーマを選んでいただくので、興味のないことをする必要がありません。

(もし演奏上の課題がまったくなければ、僕のレッスンを受ける必要はありません。笑)

立ち座りが、そんなに大事かというと、僕はそうは思いません。

冒頭の話にもあったように、演奏中に立ち座りできるわけでもありません。

演奏改善が目的であれば、実際に演奏しながら、身体の使い方を学んでいくことが、ベストです。

というわけで、これからも演奏に実践できる身体の使い方のレッスンをお届けしていきたいと思っています。