アレクサンダーテクニーク

考えたとおりに身体は動く、のホントのところ


こんにちは、川浪です。

以前のブログで、アレクサンダーテクニークで言うところの思考、考えとはなんぞや、について説明するという話をしました。

その時、紹介した感想を再掲します。

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言語、イメージではない運動についての感覚で考えているという話がすごく納得でした。

レッスンの中で、自分の頭が固まる瞬間を一度感じられ、それからは普段の生活のなかでも、その感覚がつかめるようになってきた体験に説明がついた感じがしました。

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さて、そもそもの前庭として、アレクサンダーさんがおっしゃったことに、「心身は不可分である」という言葉があります。

つまり、心、考えと、身体は一つ。

僕は、考えたとおりに身体は動いてるんですよ、と説明しています。

この「考え」がくせ者です。

一般的に考えるというと、それは言語、あるいは音、映像といったイメージのことを指します。

ですから、レッスンで身体の使い方について説明するときも、言葉で説明したり、イラストや動画を見せることで、説明をします。

これはこれで、もちろん効果がありますし、結局のところ、説明は言語、イメージでしか、行うことができません。

しかし、ここからが本当に重要なのですが、「考えたとおりに身体はうごきますよ」と言ったときの「考え」とは、本質的には、言語、イメージとはまったく別物なのです。

(僕以外の)アレクサンダーテクニークのレッスンを受講された方で、「首はラクに」とか「頭が動いて」とか、そういったまじないを唱えたら上手くいく、と勘違いされている方が少なからずいるようですが、それは全く本質から外れているとしか言いようがありません。

実際に、脳の機能的に、運動の指令を司っている部分と、言語、イメージを司っている部分は異なります。

つまり、身体の使い方が上手くいっている状態というのは、その運動を司る部分からの指令が、さえぎられることなくスムーズに伝わっている状態、だと考えられるわけです。

この状態を、言葉で説明するのは限界がありますが、似たような体験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。

考えずとも身体が勝手に動いたとか、演奏に深く集中できたとか、いわゆるフロー体験というものに近いと思います。

レッスンではその状態を、手を触れることで直接お伝えすることができます。そして、その経験を繰り返すことで、自分でも同じことが出来るようになってきます。

ちなみに、なぜそんなことができるのかと、よく聴かれますが、科学的には解明されていないと思いますので、理由はよくわかりません。

ただ、経験上、そういうことが起こるというのは明らかです。

今回の内容はかなり深い話で、ある程度、レッスンの経験を重ねた方でなければ掴みづらいかもしれません。

もしわかりにくければ、頭であれこれ考えるわけではないんだな、くらいに受け止めておいてください。