アレクサンダーテクニーク

音楽家は才能か努力か?


こんにちは、川浪です。

音楽家にとって「才能か努力か」という論争は、永遠のテーマのように思えます。

しかし、最近読んだこの本によると、才能だけで成果を残した例は、全く見当たらないそうです。

音楽家にとって馴染み深い例は、モーツアルトでしょう。

彼は、幼い頃から複数の楽器を操り、わずか8歳の時に初めての交響曲を書いたとされています。

これだけ聞くと、生まれつきの才能だと思うかもしれませんが、実際のところは、教育熱心な父親の厳しい指導によります。

さらに言えば、モーツアルトの初期の作品は、父親の筆跡で書かれているものもあり、どこまでが本人の能力によるものかは、不明です。

モーツアルトによる、初の本格的な楽曲と、間違いなく言えるものが書かれたのは、父親の指導の下、10年以上が経過した後のものです。

つまり、モーツアルトが最終的に傑出した演奏家兼作曲家になったことに疑問の余地はありませんが、それが生まれつきの才能によって成されたという証拠は一つもないし、これまで著者が調べてきた、あらゆる天才少年少女についても同様のことが言えるそうです。

では一体、どのような努力をすればよいのか、ということについても、この本には書かれています。

要するに、適切な方法で、努力を積み重ねましょう、ということなのですが、、、

一体何が適切なのかが、必ずしもハッキリしていない、というのが一番の問題です。

音楽では、そもそもどんな練習をすればいいのか、というのが、スポーツなどに比べると、あまり確立されていないように感じます。

クラシック音楽であれば、何を練習すればよいのかは、ある一定のレベルまでは、メソッドが確立していますが、それにしたって、同じように努力しても、上手く出来るようになる人と、そうでない人がいます。

音楽の上達にあたって、unknownな部分が多く存在し、その部分が、才能の一言で片付けられてしまう要因だと思います。

その全てを明らかにすることは不可能ですが、アレクサンダーテクニークなど、身体の使い方のメソッドは、才能で片付けられていた一部を明らかにすることが出来るでしょう。

演奏するというのは、結局のところ、身体を使って音を出すということです。

では、その身体について、きちんと学んだ人がどれだけいるかというと、ハッキリ言って全く見当たりません。

ほとんどの方が、思い込みや勘違い、伝統的に間違った指導を信じています。

最近では、身体のことに関心のある方も増え、書籍やネットで得られる情報も増えていますが、それも中途半端に偏った知識を身につけてしまうという問題があります。

僕のレッスンにも、自分なりにやってみたが、上手くいかなかった、という方がたくさんいらっしゃいます。

もし身体の使い方を学びたいというのであれば、それを専門的に学んでいる方、そして音楽家に指導されている方の元で、継続的に学ぶことが一番の近道です。

そうすることで、これまで才能で片付けられていた一部を、明確な努力によって克服することができるようになります。

☆グループレッスン開催します。

2017年9月18日(月曜祝日)13時~15時

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